従来の政策金利


1994年9月までは民間銀行の金利は公定歩合と連動していて、日銀は公定歩合を操作することで金融政策を行うことができた。しかし、1994年10月に、民間銀行の金利は完全に自由化されたので、公定歩合を利用して民間銀行の金利を操作することはできなくなった。日本の景気は悪化し続けていたから、従来であれば公定歩合を下げて金利を下げるべきであったが、日銀は1995年9月から2001年2月まで公定歩合を下げず、0.5%のままであった。 民間銀行の金利が完全に自由化された後、公定歩合を操作する代わりに、短期金融市場の金利(無担保コール翌日物の金利)を操作することで金融政策を続けた。短期金融市場は、民間銀行が借り入れをするのに通常用いる市場である。具体的には公開市場操作により、日銀が民間銀行から国債や手形を買い取る買いオペレーション(買いオペ)をして、金利を下げる操作を続けた。これにより、従来最も低い金利は公定歩合であったが、現在は短期金融市場の金利が最も低い金利となった。

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