酵素の発見



申し訳ございません。現在工事中です。

最初に発見された酵素はジアスターゼ(アミラーゼ)で、1832年にA・パヤン (Anselme Payen) とJ・F・ペルソ (Jean Francois Persoz) によるものである。命名も彼らが行った[1]。彼らは翌1833年には麦芽の無細胞抽出液によるでんぷんの糖化を発見し、生命(細胞)が存在しなくても、発酵のプロセスの一部が進行することを初めて発見した。 また、1836年にはT・シュワンにより、胃液中にタンパク質分解酵素のペプシンが発見・命名されている[2]。この頃の酵素は生体から抽出されたまま、実体不明の因子として分離・発見されている。 「酵素 (enzyme)」という語は酵母の中 (in yeast) という意味のギリシア語の"εν ζυμη"に由来するもので、1878年にドイツのウィルヘルム・キューネによって命名された[3]。 19世紀当時、ルイ・パスツールによって、生命は自然発生せず、生命がないところでは発酵(腐敗)現象が起こらないこと示されていた。このため「有機物は生命の助けを借りなければ作ることができない」とする生気説が広く信じられており、酵素作用が生命から切り離すことができる化学反応(生化学反応)のひとつにすぎないということは画期的な発見であった。 しかし生物から抽出するしか方法がなく、微生物と同様に加熱すると失活する性質を酵素が持っていたため、その現象は酵素が引き起こしているのか、それとも目に見えない生命(細胞)が混入して引き起こしているのかを区別することは困難であった。 このため、酵素が生化学反応を起こすという考え方はすぐには受け入れられず、当時のヨーロッパの学会では酵素の存在を否定するパスツールらの生気説派と酵素の存在を認めるユストゥス・フォン・リービッヒらの発酵素説派とに分かれて論争は続いた。 最終的には、1896年にエドゥアルト・ブフナーが酵母の無細胞抽出物を用いてアルコール発酵を達成したことにより、生気説は完全に否定され、酵素の存在が認知された[4]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』