構造



腺として基本的な構造を持つものは汗腺などの外分泌腺で他の器官で生成された分泌物を一時ためておく腔所(腺腔とも 英語:glandular lumen)とそれを囲む腺細胞という細胞、及び腔所につながる導管(道管とも 英語:duct)からなる。 道管がないものを内分泌腺という。 腺構造とはまったく違うものであるが、精巣などの細胞を排出する器官も腺として考えることもあり、それらは細胞生成腺と呼ばれる。リンパ節および口蓋扁桃をそれぞれ「リンパ腺」、「扁桃腺」と呼ぶこともある(解剖学用語ではなく、あくまで一般的な名詞として)が、その通称もこの細胞生成腺という考え方に基づくものであり、これらの器官は分泌を行っているわけではない。 解剖学用語としての○○腺という名前のほとんどは外分泌腺に対してつけられている。比較的少ない内分泌腺の例としては甲状腺が(副甲状腺については、上皮小体という用語が解剖学の教科書などでは用いられている)挙げられる。解剖学における「腺」の定義は上記のとおりであるため、「細胞生成腺」には○○腺という名は(解剖学用語としては)つかないはずだが、胸腺は分泌器官ではない。 一方、分泌が主な機能でありながら○○腺という名がつかない器官としては、下垂体(内分泌)、膵臓(外・内分泌)が挙げられる。 腺胃は腺と名がついているが、構造や役割、仕組みなどもまったく違う器官である。

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